2009年7月8日

第171回国会 衆議院 厚生労働委員会   2009年7月8日
○田村委員長 次に、内山晃君。
○内山委員 民主党の内山晃でございます。
 久しぶりに質問させていただきます。よろしくお願いいたします。
 お手元にもあるかもしれませんけれども、新聞記事で「受給資格者三万人無年金」という記事が七月二日の各紙に出ております。「年金受給資格を満たしているのを知らない無年金者が推計約三万人に上ることが一日、社会保険庁が初めて実施したサンプル調査でわかった。持ち主が分からない宙に浮いた年金記録が原因となっているケースが多く、社会保険事務所で「資格を満たさない」と言われていた人もいた。世界でも突出して厳しい受給資格(保険料納付期間が原則二十五年)を満たしながら、無年金者となっている人が多数いる実態が」ある、こう報じているわけであります。
 「無年金者七十三万人から千六百二十八人を無作為抽出して実施。六百八十五人から回答を得た。」こういうことで三万人、こういうふうになっておりますけれども、この三万人とした根拠を教えていただきたいんです。
○石井政府参考人 お答え申し上げます。
 この新聞記事にございます三万という数字でございますけれども、先日、七月一日の夕刻に開催いたしました記者会見におきまして、今回のサンプル調査の目的というのを申し述べた上で、そのサンプル調査に基づく個々の項目についての数字とパーセンテージを申し上げました。
 その折に、記者の皆様の方から強い御要請がございました。私どもとしては、この調査はあくまでも実態を解明すると同時に、受給資格期間に満たない方々についてなぜそういうような状況になったのかといった、いわば定性的な事柄についての把握を主とする目的でやったわけでございますけれども、御要請があったので、なかなかストレートに数字を申し上げることはそういうことで適当ではないということを申し上げさせていただいたんですが、それでも、機械的に計算をしたらどうか、こういうことでございましたので、計算をすれば約三万人という数字になるのではないかというふうに考えたものでございます。
 計算の過程でございますけれども、これも委員御案内のように、今回行った調査のベースになりますのは、十九年の四月一日時点の六十歳以上のいわば受給資格をお持ちでない方、推計値、これは十九年の十二月に公表しておりますが、六十歳以上ということで七十三万人という数字になるわけでございますけれども、そこから死亡された方の推計人数、およそ十三万人を除いた上で、聴取できた方の聴取結果、すなわち受給資格期間を満たす方であってそのことを知らなかった方の割合を、これは四・七%ということになるわけでございますが、機械的に乗じて算出した、そういうことでの三万という数字でございます。
○内山委員 調査対象千六百二十八人から戸別訪問によって回答が得られた六百八十五人のうち、受給資格を満たす者であった、そのことを知らなかった者が三十二人。比率で六百八十五人の四・七%ということになって、七十三万人の四・七%は約三万三千人。死亡した人を除くと約三万人ということになっていますけれども、死亡した人を除く根拠は何でしょうか。
○石井政府参考人 お答え申し上げます。
 死亡した方の数というものを母数から外すか、あるいは外さないまま計算するか、これはそれぞれ考え方としてあろうかと思います。
 私どもの場合には、あくまでも、お一人お一人戸別訪問調査をした上でその中身を聴取するということで、実際当たった方、当たる可能性があった方、そういった方をやはりその母数にすべきだろうということで、亡くなった方については大変恐縮ながらそういう可能性はございませんでしたので、私どもの場合には、一応、そういう調査のやり方、これに沿った形で計算するとすれば、除くということでの計算もこれは一定の妥当性があるんじゃないかというふうに考えてしたわけでございます。
○内山委員 死亡した方には未支給というケースも発生することもありますから、やはり完全に除いていいとは一概には言えないと思います。
 お配りした資料の二枚目をごらんいただきたいんです。これは昨日、社会保険庁からいただいた資料ですけれども、第一段階として、年金未受給者かつ六十二歳以上に該当する者が約百四十九万人との数字がある。平成十九年十二月十二日の公表資料の七十三万人と数値が異なりますけれども、この異なる理由を説明していただきたい。
○石井政府参考人 お答えいたします。
 これは昨日、御要請に従いまして、今回行ったサンプル調査の抽出の方法を中心として手順の説明をしたものでございます。
 それで、このペーパーの一番上の丸のところをごらんいただきたいんですけれども、今おっしゃった、私どもがなした十九年十二月公表のときの六十歳から六十四歳と六十五歳以上に係る推計については、まさにここにございますように、別途のプログラムを用いまして、ホストコンピューターから直接それを特定して数のみ集計するというような形でやったということで、いわば該当者の一覧というものがなかったわけでございます。
 今回、しかし、あくまでも、十九年十二月に公表したときの母集団そのものは基本的に変えないという前提でやろうということで、手順を追ってやったというのが二つ目の丸でございます。
 まず第一段階としては、年金未受給者で六十二歳以上、これは十九年当時六十歳以上であったという方ですから、これはコーホート的には同じということでございますけれども、それに該当する者を全員抽出する。そうすると、この段階では、私どもが最終的に把握しようとしている受給資格期間二十五年を満たさない方、それだけじゃなくて、未受給ではあるけれども二十五年を満たしている方というのも相当数これは含むわけでございます。
 そういう点で、この百四十九万というのは大きな数字になっているということでございます。
○内山委員 第二段階として四千人を抽出した理由についてお尋ねをします。
○石井政府参考人 お答え申し上げます。
 この第二段階でございますけれども、方法論的には統計学的にも問題ないとされている層化無作為抽出ということでございますが、この四千件というのは、考え方といたしましては、このペーパーの一番下、アスタリスクがございますけれども、統計的に考えて、トータルで一千六百件ほどのサンプルを収集すれば有意な水準に達することができるであろう、こういうふうにまず考えました。
 それで、それだけのものを百四十九万から抽出するとして、果たしてどれだけのものが必要か。今申し上げましたように、受給はなさっていないけれども二十五年の受給資格期間を満たしておられる方というのが相当数おられるわけです。いわばその実態というものをにらみまして、それで千六百をとるならば、およそ四千件を取り出せば、逆算的な発想なんですが、この四千、個々を目視によってチェックしていけば、まさに二十五年を満たすことができない、そういう方々がおよそ一千六百程度収集できるのではないかということで、逆算的な発想から四千という数字をいわば導出して、そして無作為でとった、こういう経過でございます。
○内山委員 「最後のステップとして、「保険料納付済期間」、「保険料免除期間」及び「納付可能な七十歳までの期間」を合算しても二十五年に満たない者を、約四千件の中から、目視により特定した」千六百二十八件とありますけれども、目視により特定したとはどういうふうにやっているんでしょうか。
○石井政府参考人 お答えいたします。
 ここは平成十九年の十二月に公表したときのやり方と違いまして、つまり、単に数字をぱっと引き抜くということではございませんで、まさにお一人お一人のいわば職歴あるいは生活歴、それに即した形で、社会保険オンラインシステムの方に記録を管理させていただいておりますけれども、これはまさに人それぞれ違います。
 そういうことでもございますものですから、これはまず四千の記録を紙媒体に落としました。それをお一人お一人、基本的な情報を中心にずっと項目別に見れるようにしまして、それで当たっていったという形のものでございます。
○内山委員 この四千件の中から千六百二十八件、そして残りの二千四百件は、年金の裁定待ちや繰り下げ請求をしている方などと考えている、こう書いてありますけれども、その根拠を示してください。
○石井政府参考人 お答え申し上げます。
 この二千四百については、本来、御党の方から御要請があった、十九年十二月の無年金者の推計値、この中身をサンプル的に確認してほしいというものと別のお話になるわけでございますけれども、したがって、そういう趣旨から、実は突っ込んだ把握はしてございません。
 したがって、ここのところは私どもの一つの考えということになるわけでございますけれども、二十五年を満たしておられて、それで、一昨年来特別便もお送りしている、それから、平成十七年の十月からは、ターンアラウンドによって裁定請求書の事前送付なんかもなさっている方もこの中に含まれ得るというようなことで、なおなさっていない方というのはどういう方だろうかというふうに考えた場合、ここに記載のような方々が考えられるのではないかというようなことで、記載させていただいたということでございます。
○内山委員 それでは、今の繰り下げ請求をしている方、これは実際、繰り下げ請求というのは七十歳を超えて繰り下げるメリットはありませんから、七十歳以上の人数は何人該当者がいますか。
○石井政府参考人 お答え申し上げます。
 今のお尋ねは、要するに四千名の母数から千六百二十八名を差し引いた残り二千四百名についてのお尋ねというふうに承知いたしますけれども、実は、このサンプルは、今も申し上げましたように、今回御要請があった、若い層も含めてですが、百十八万の無年金者のいわば実態を調べてほしいということと、これは違う、対象外の部分でございますので、分析はしておりません。したがって、年齢的にどうかというのも見ておりませんし、それから、今回の調査の目的からしますと必要のない、いわば個人情報でございますので、私ども、個人情報については、必要がないものはいたずらに保有する必要はないというような見地から、これは基本的には保有していない、こういうような状況になっているものと思っております。
○内山委員 やはりこれは、年金の裁定待ちや繰り下げ請求をしている、こう書くんでしたら、七十歳以上の者は何名ときちっと示さないと、この二千四百という数字が非常にあやふやな数字ということになりますけれども、もう一度答弁をお願いします。
○石井政府参考人 重ねての御答弁というようなことになりますけれども、私どもは、やはり必要がない、調査の目的から外れる、しかも個人情報をそれ以上保有するというのはいかがなものかということで、それは別個のものとして整理してございます。これは、本年四月十五日の厚生労働委員会の方で、長妻先生の方からこの無年金者のサンプル調査についての御指摘の御質問をちょうだいしたときも、明確に百十八万人についてというお話もございましたので、その点、踏まえさせていただいたということでございます。
 ただ、ちなみに、二千四百の方はわからないわけでございますが、千六百二十八名の方、こちらの方を参考までに申し上げれば、五百九名、三一%、こういうような数字になってございます。
○内山委員 片手落ちの仕事ですよ、これは。実際に、四千名の中から千六百二十八名、そして二千四百件というふうに処理をしたんですから、これはコンピューターで検索すれば、キーを入れれば七十歳以上というのはすぐ出せるでしょう。きのう、出せませんかというふうに担当者の方に言いましたけれども、その努力はなさったんでしょうか。それも含めて答えてください。
○石井政府参考人 お答え申し上げます。
 私どもは一切、何かこうした情報を隠すつもりは全くございません。今回こういう形で特定された千六百二十八を除いた部分については、これは層化無作為抽出でございまして、私どもは、その一個一個を特定するときにはきちっと認識しておりましたけれども、恐らくこれは処分をしていると思われます。これは確認したいと思いますけれども。
 したがいまして、それを改めてまた取り出し直すというのはなかなか難しいもの、ちょっと再現性は難しいんじゃないかというふうに思っております。
○内山委員 正確に聞きますけれども、技術的にできないんでしょうか。お答えください。
○石井政府参考人 お答え申し上げます。
 コンピューターの中から、四千名から外した二千四百名に相当するもの、ただしぴたりイコールのものを取り出せというのは、これはなかなか難しゅうございますけれども、同じような条件で、例えば層化無作為という方法で取り出すこと自体は方法としては可能でございます。
 ただ、厳密にこの二千四百、どうだということでおっしゃられるということであれば、それは層化無作為ということで、その再現性は困難であろうというふうに申し上げているというわけでございます。
○内山委員 先ほど、紙に落としたと言いましたよね。ですから、紙に落としたんでしたらその残り、紙に当たればよろしいんじゃないですか。もう一回お願いします。
○石井政府参考人 お答え申し上げます。
 その点は、御指摘でございますので、確認をしてみたいというふうに思います。
○内山委員 ぜひ確認して報告をしていただきたいな、こう思います。
 調査した時点では受給資格を満たさないものの、七十歳までの間に国民年金に任意加入し保険料を納付すれば受給資格期間を満たす可能性がある者で、そのことを知らなかった者、資料でいいますと十番のところに、二十四人そのことを知らなかったと書いてあるわけであります。
 そうすると、ちょっと算数になりますけれども、まず初めに、受給資格を満たす者であってそのことを知らなかった三十二人と、七十までに任意加入すると受給資格を満たす者二十四人の合計が五十六人、こういうことになります。六百八十五人で五十六人の比率を出しますと八・二%ということになるわけでありまして、八・二%が受給資格を満たす可能性があるということになりますけれども、いかがでしょうか。大臣、その辺ちょっとお答えをいただけませんか。
 では、まず担当者の方から。
○石井政府参考人 お答え申し上げます。
 おっしゃるとおり、六百八十五人のうち、受給資格期間を満たしていながらも御認識がなかった方、それからおっしゃったように、七十歳までの間に国民年金に任意加入して保険料を納付すればその期間を満たす可能性がある方二十四名、これを六百八十五を分母にして計算しますと八・二%というのはおっしゃるとおりでございます。
○内山委員 では、大臣にお尋ねします。
 新聞記事では三万人と言っているわけでありますけれども、八・二%を七十三万人に掛けますと約六万人になるんですけれども、いかがでしょうか。
○舛添国務大臣 いつもこういう議論をするときに、これは内山さんよくおわかりだと思いますけれども、サンプル調査千六百、答えた人が四割ぐらいしかありません。そこからの数字で、これは六万人とか八万人よりもっと多いかもしれない、もっと少ないかもしれません。そういうものがサンプル調査なので、何でもサンプル調査すると世の中全部見えるようなことを言うのもそれはおかしな話で、何が必要かといったら、年金を受け取る資格がありながら受け取っていない人たちをどう救うかということが一番問題なのであって、したがって、ねんきん特別便を送ることによってわかった人も相当いるわけですから、これも一つの成果なんです。
 それから、周知徹底をしないといけない。それから、今、年金作業委員会でいろいろなアイデアがあって、個人の経歴表をつくりましょうというようなことを今からやろうとしますから、それは皆さん方にも国民の皆さんにも協力してもらわないといけない。空期間知らなかったとか、いろいろな周知徹底もありますよ。しかしながら、それは、自分がどういう人生を歩んできたか、どういう会社に勤めていたか、みんな一遍つくってみることによって発見することもできるので、皆さんの協力を得て、そして一日も早く、そういう資格がありながら受け取っていない人を救うということが問題であって、やれ三万いて大変じゃないか、六万いるじゃないか、八万いるじゃないか、そういうことではない。本質的なことは救うということですから。
 サンプル調査、サンプル調査と、それは一つの意味はあるけれども、あくまで一つの意味であって、だから、今おっしゃったように、六じゃなくて八じゃないかとか、そういう議論は余り生産的じゃないんじゃないかなと私は思います。
 だから、こういう不祥事があったりすることは反省しないといけないけれども、それは制度のいろいろな問題があって、だってまだ百年もやっていないわけですから、制度を継ぎはぎ継ぎはぎで来たいろいろな問題が出てきているわけですよ。そういうことの問題を、みんなできちんと努力して解決しましょう。自分の党が政権をとったら解決できるけれども、おまえのやっていることはいいかげんだ、そういう話だけではだめなので、長妻さんがよくおっしゃるように、これは文句を言うために言っているんじゃありませんよ、解決したいから言っているんですよと、非常に建設的なことをサンプル調査についてもおっしゃったので、ぜひそういう精神で協力してやっていきたいと思っております。
○内山委員 大臣には何か珍しく非常に強気な、少しこわもてな答弁ですけれども、私は、三万という数字とこの六万という数字、同じ推計かもしれませんけれども、こういう数字をある程度つかんでおきませんと、初期の起動にかかる動作で間違ってしまうんじゃなかろうかと。ですから、三万、この数値を八・二として使えば六万という数字にも計算できますけれども、その辺はいかがですかねというところでお聞きするつもりだったんですけれども、余りにもほかのことをおっしゃりましたので、もう一度ちょっとその辺のさわりを答弁いただきたいんです。
○舛添国務大臣 それは一つの意味があるということを申し上げたので、いろいろ不規則な発言がありますから、こういう不規則な発言に答弁が引きずられてはいけないので、その点は反省いたします。
○内山委員 ですから、三万もあれば六万もある、これはやはり大臣もお認めいただかないといけないと思いますね。
 それでは、次に質問をいたしますけれども、受給資格期間を満たす者であって、そのことを知らなかった者が三十二人、そのうち四人は過去に年金相談をしたら受給資格を満たさないと言われたと。相談された場所は特定されていますでしょうか、お尋ねします。
○石井政府参考人 お答えします。
 特定をしております。中身的には、そのうちの一件はある市の市役所が対応した。それから、残り三件が社会保険事務所の方でございまして、その三件のうち一件は電話による御相談だった、二件は直接お越しになっての面談による相談、こういうふうに承知しております。
○内山委員 随分詳細に把握をされているんですね。驚きました。
 今のことは資料の九番の下の方に書いてございます。過去に年金相談をしたら受給資格がないと言われて、もらうことができなかった。大臣、これは重要だと思うんですよ。国民の年金に対する知識というのはほとんどないわけですから、国の窓口、市町村にしろ社会保険事務所にしろ、そこに行かれて、あなたは年金もらえませんよ、こういう実態が、ここに今、三十二人中四人いたということでありまして、これは何とか助けてやらなきゃいけないんじゃないかなと思うんですけれども、国に責任ということで、大臣、どうでしょうか。
○舛添国務大臣 これは、おっしゃるとおり、私も実はこういうケースは腹が立ってしようがないのは、ある窓口に行って、非常に親切に、例えば空期間、普通の人は空期間なんて知らないですよ、それを教えてもらって、ああ、本当によかった、これで自分が受給資格を得たんだなというのと、そういうことも何も教えない、機械的に、あなた、これはだめですよと。これでもう天国と地獄になりますから、こういう怠慢な職員を擁していた組織、これを変えていかないといけないし、そういうことの被害に遭った方は何とかお救いせぬといかぬというふうに思いますので、これはきちんと、どういう事情であったのか、そういうことはよく調べたいと思います。こういうことはあっちゃいけないと思っております。
○内山委員 これは、どこでだれがということで詳細にお調べになっているわけでありますから、国の方の瑕疵といいますか責任ということが把握できれば年金受給資格を認めてやるというような何か超法規的なものを運用でできないか、ぜひ御検討いただきたいんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○舛添国務大臣 これは、まずその事情をよくつまびらかにして、例えば、ある窓口で職員がこういう対応をしたので自分は錯誤したというようなことがあれば、それは全体の法体系で何かの法体系が援用できるかもしれませんし、そうじゃなければ運用で、事情が明らかで、明らかにその窓口のミスによるものであるということは、これは対応せぬといかぬと思いますので、検討させていただきます。
○内山委員 民法の九十五条でもこういう錯誤の部分というのがありますから、ぜひそういったものも含めて検討していただきたいな、こう思います。
 私のところにも、市役所の職員が来て、四十代に、あなたの年金受給資格はもう二十五年に満たないから納めることをやめなさいとわざわざ言ってやめさせられたと。こういう方の相談を見てみましたら、七十まで任意加入をしますと二十五年に届くんですね。これは今からではさかのぼって払うということもできません。こういった方も、被害者がたくさんいると思います、ぜひ救いの手を差し伸べていただきたいな、こう思います。
 同じく、受給資格を満たす者であって、そのことを知らなかった者三十二人のうち四件は、第三号被保険者の特例届け出が新たに確認されたという方がいらっしゃいます。
 ちょっとお尋ねをしますけれども、この特例届け出の確認がされたことによって受給資格が発生したのかどうか、答弁を求めたいと思います。
○石井政府参考人 お答え申し上げます。
 ちょっとつまびらかに、詳細な記録は持っておりませんけれども、おっしゃるとおり、承知しているところによれば、その記録によって受給資格を満たすことができるようになった、こういうものであるというふうに承知しております。
○内山委員 ここの資料の九ページの下の方の「第三号被保険者の特例届出期間」というところで四件が明記されているわけであります。
 この問題、今、これから別の問題に入るんですけれども、つい先日、私ども民主党の厚生労働部会で、六十六歳のAさんという方が、夫の扶養になっていて、国民年金の第三号被保険者期間中に昔の厚生年金の期間が見つかった。この見つかったことを統合することによって、システム上は、一たん三号を切ってその間に厚生年金を入れる。お手元の資料で図をお配りしてございます。これはやはり図を見ませんと、なかなか頭で絵がかけませんので。
 資料の四番に横長の図があります。この統合前というところで、今申し上げた三号のところに厚生年金の期間が二つ見つかった。これを統合したら下になりまして、厚生年金の記録を三号の間に入れますと、一たん三号を切って、再度また厚生年金が切れた段階で三号の種別の変更届という届け出を出さなければならなかったんです。この方は実際に六十歳から、記録統合前は年金を受給されていました。四年間で約百十万円。しかし、平成十九年の七月に記録統合をしまして、そして第三号の特例届け出を出して未納を埋めた段階で、あなたは六十歳の段階にさかのぼって年金を返してくださいなと。
 こういう相談が来まして、私も法律をいろいろ見てみましたら、現行法ではやはり救えない。国民年金法の附則第七条の三、特例届け出を出した翌月から納付済み期間とするということになっておりますので、六十歳の時点では受給資格は発生しないというふうに判断をするわけですね。でも、これは実際には六十から年金をもらっていたわけですから、この方の年金を返せということは余りにも酷であるし、法の制度に不備がある、こんな思いで我が民主党はこの救済法案を提出いたしました。
 つい先日、土曜日の話でありますけれども、テレビ、TBSを朝つけておりましたら、自民党の議員がこの案件は舛添大臣が救済するんだということをお話をされているということを聞きまして、法改正をしなければ救済できないのにどうして救済ができるんだろうか、非常に不思議に思っておりまして、大臣、この案件、どうやって救済をなさるおつもりなのか、その辺をお尋ねしたいと思います。
○舛添国務大臣 これはもう、委員がおっしゃるように、ある意味で申請主義からきたいろいろな問題であるので、恐らくその方も、仕事をやめた段階で、仕事をやるときは会社に社会保険労務士の方々との契約があったりしてきちんとやられるでしょうけれども、やめたときにこういう手続をきちんとやるということは非常に難しいと思いますから、ここまで戻せというのはやはり酷だという認識は、私は一致しております。
 それで、何らかの形で、運用上の措置でこういうものを救うことができるかどうか、ぜひ救いたいと思います。それで今、事務方に、運用上の援用措置で救えるかどうか検討しなさい、そういう指示をしているというところであります。
○内山委員 きょうは内閣法制局の方にも来ていただいておりますけれども、その辺をお尋ねしたいんです。運用でできるものかどうか。
○山本政府参考人 お答え申し上げます。
 本件についての具体的な厚生労働省のお考えを今承知しているわけではございませんけれども、一般に行政というものは法律の規定に従ってその範囲内で行われるものと思っておりまして、その範囲内であれば、それでよろしいかと思います。
○内山委員 もう一度詳しくお話をしていただきたいんですが、その範囲内というのはどういう範囲なんでしょうか。わかりやすくお願いします。
○山本政府参考人 いずれにせよ、具体的なお考えをまだ承知しておりませんので、申し上げられないところではありますけれども、一般に法令の解釈といいますものは、当該法令の規定の文言や趣旨等に即しつつ、立案の背景となる社会情勢等を考慮し、また、議論の積み重ねのあるものについては全体の整合性を保つことにも留意して、論理的に確定されるべきものと考えております。
 本件について、厚生労働省からそういう意味での御相談があれば、そういう方針のもとに十分相談していきたいと思っております。
○内山委員 委任とかの問題ではない、政省令で救済できる問題ではないと私は考えていまして、やはり法改正が必要なんじゃなかろうか。運用でもしこういうのができるのであれば、この法律は全く要らないわけでありまして、そこは一つ何か非常に違う意図を感じました。テレビに出ていて、何か、民主党がこういう救済案を出したことによって、それをあたかもすぐ打ち消すような発言にとられて、あれっと。何か違う認識をされているんじゃなかろうかな。
 私たちは、純粋に、こういう人たちは多分いっぱいいると思うんですね。現にこのAさん以外にも、社会保険事務所の窓口でこういうことを聞くんです。記録統合する、そうすると、こういうケースがあるとすれば、あなたは自分の記録ではないと言いなさいと。ですから、こういう状況ですと記録統合は遅々として進まないです。いつまでもずっと引きずらなきゃならない。それは不利益があるからなんです。
 ですから、昔勤めた厚生年金の期間を加算したら年金返せとか減ってしまうということはあってはならないわけでありまして、こういう人たちをやはり一日も早く探し出して救済すべきだ、こう思います。
 こういう被害者がどれくらいいるのか、各社会保険事務所にデータの収集を要請していただきたいんですが、大臣、いかがでしょうか。
○舛添国務大臣 これは早急に調べさせるようにいたします。
 そして、先ほど法制局の答えもありましたけれども、検討を急がせておりますので、法制局ともよく相談して、どういう手があるのか、いかに早く迅速に救うかということが必要なわけですから、私はテレビを見ていませんが、出演されていた議員から、こういう問題はどうするのかというので、それは運用で救えるかどうか、ぜひそういうことを救いたいということで検討させているということをお伝えしました。それを恐らくその議員がお伝えしたんだろうというふうに思います。
○内山委員 余りほじくりたくないんですけれども、希望的推測で軽々に物を言っては誤解を招く、こう思いますので、ぜひともその辺はしっかりと、我々はまじめにきちんと議員立法を出しているんですから、ぜひお考えをいただきたいな、こう思います。
 次に、標準報酬等の訂正事案の職員関与の調査についてお尋ねをしたいと思います。
 もう相馬社長といえばすぐあの件、麹町の社会保険事務所の案件ですけれども、この相馬社長の案件は今どのような形になっていますでしょうか、お尋ねをします。
○薄井政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘の麹町社会保険事務所での案件ということでございますけれども、証言のありました社会保険事務所職員が担当しておりました可能性のある他の事案に関して、その職員が関与した不適正な事案がなかったかどうか、これは、麹町の事務所以外にも二つの事務所で徴収関係の仕事をやっておりましたので、そういうところ、あるいは同僚のかかわりがどうか、こういったところも含めて、引き続いて調査を行っているところでございます。
 職員に対してどういうふうに対応をするか、その調査の結果を踏まえまして、適切に対応してまいりたいと考えております。
○内山委員 相当時間がかかっています。いつ終わらせるんですか。明確に答えてください。
○薄井政府参考人 いずれにいたしましても、当時の関係者、上司とか部下とかそういう者も含めて、ほかにかかわっている案件があるかどうかということを整理して、その上で対応したいと考えております。
 調査につきましては、できるだけ急いで進めてまいりたいと考えているところでございます。
○内山委員 全くずっと同じような答弁でございまして、これは国民に対して侮辱していますよ。本人が直筆で書いたと暴露しているじゃないですか。本人の字ですと認めているじゃないですか。なぜ処分をしないんですか。そういう答弁ではやはりこれはとても許されないですよ。職務怠慢ですよ。徹底的にやりますよ、その件だけでも。答弁はいいです。もう何度聞いても同じです。
 それから、群馬県年金記録第三者委員会の委員に対して圧力をかけた件。群馬社会保険事務局の職員が、社会保険事務所の不利なことは言わないように、あなたも困るだろうと。この圧力をかけた事件なんかは、まさに職員の不正事案の実態を最初にあらわした事件だったんです。この件なんか今どうされていますか。
○石井政府参考人 お答えいたします。
 急なお尋ねでございます。
 この件は、先生も御案内のように、一昨年の秋だったでしょうか、内山先生の方から、こういう事案があるぞという情報をいただきまして、早速私どもの方で調査をいたしました。
 まず、一回目の私どもなりの調査をした。そうすると、その調査報告書も出しておりまして、そこで明確に申し上げておりますけれども、第三者委員会の委員の方に対して接触して、そして申し上げた群馬社会保険事務局の職員の方でございますが、本人にそういうような意図はなかったんだけれども、そのように受けとめられた可能性があるかもしれない、そういうことであれば謝りたい、こういうような表明があったので、そのことを記載させていただいた。そのことをまさにこの厚生労働委員会で、二年前でございますけれども、秋だったでしょうか、御報告しましたが、もう一回きちんと詳細に調べてほしい、こういう御要請を同じく内山先生から承りました。
 それで、私どもだけでの、つまり、社会保険庁、それからその出先である群馬社会保険事務局、この範囲だけでの調査では十分じゃないだろうということで、総務省の第三者委員会の事務局の方にも調査について御協力を賜るようにお願いいたしました。
 それで、そちらサイドからの、私どもの群馬の職員から話を受けたとされるその当時の委員のお受けとめの状況、これなどがいかがだったのかというような確認もしていただいた。その両方を突き合わせる形で、二回目の調査報告を、たしかその年の、ちょっとうろ覚えでございますけれども、末に近いところで申し上げたと思います。
 それで、そういうことだったのかということで、私どもの認識としては、その問題については、調査は一応できるところまではやった、尽くさせていただいたということで、そういう状況で今日に至っている、こういう状況でございます。
○内山委員 別段処分はされなかったんでしょう。これで、こういう職員の不正事案に関して、日本年金機構に、来年一月からこういう体制になったら、この訂正事案の調査、こういったものはどの部署が責任を持って引き継ぐんでしょうか、お尋ねをします。
○薄井政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、決して調査をおくらせているということではなくて、きちっと事実を積み上げて、処分するべきものは処分するということで臨んでまいりたいと思っております。
 御指摘の事案につきましても、できる限り早く調査を進めてまいりたいと思っておりますけれども、仮に、社会保険庁の廃止される十二月末までに調査が終わらなかった、こういうふうなものがあるとすれば、来年一月一日以降、厚生労働省において、日本年金機構の協力を得ながら必要な調査を行っていく、こういうふうに考えているところでございます。
○内山委員 こういう案件は早く終わらせて、次の前向きな建設的な議論に大臣入るべきですよね。いつまでもこうやって答えを出さないから、こんなことを何度も何度も聞かなきゃいけないんですよ。よく考えていただきたい。それは時間の無駄です。
 テーマをかえます。
 ことしの十月から、年金から住民税を天引きすることに実は決まっています。こんなのでいいんでしょうか。六月中に、住民税を天引きしますよというパンフレットが、各それぞれの市町村からこんなものが送られているんですね。こういうものを送られた方が、国民健康保険料、後期高齢者医療保険、介護保険、今度は住民税かよと、やはり非常に怒りをあらわにしているんです。
 大臣、こんなことというのは周知を余りされていなくて、これは実は総務委員会のガソリン税の暫定税率、二十年改正のときに一緒に議論していたので、余り新聞にも出なかったんじゃないかな、こう思うんですけれども、十月から住民税が天引きされるというのを御存じでしたか。
○舛添国務大臣 住民税についてそういうことをやるということは知っております。
 ただ、年金からさまざまな、介護保険料も引かれれば、後期高齢者の保険料も引かれる。それを見て、今でも大変引かれるのにまたかという感を持たれているという感じは、それはよくわかります。
○内山委員 総務省の方が見えていると思うんですけれども、この意図は何でしょうか。簡単にお願いします。
○佐藤政府参考人 高齢化社会の進展に伴いまして、公的年金を受給する高齢者が今後一層増加することが見込まれております。
 これまで、高齢者である公的年金の受給者の方で個人住民税の納税義務のある方については、普通徴収の方法で納付をしていただいておりまして、具体的には、年四回、窓口などで直接納付をしていただいているところであります。いわば納税に手間がかかっているということでありました。
 このような状況がありましたことと、それから徴収主体であります市町村などからも強い要望がありましたことから、公的年金受給者の方の納税の便宜を図ろうということと、市町村における徴収事務の効率化をあわせて図ろうということで、二十一年度からこの制度を導入することにしたところでございます。具体的には、十月支給分の年金から実施されることになっております。
○内山委員 厚労省としても、大臣、また十月十五日、これは非常に混乱することが想像されますので、ぜひとも何らかの周知をされるべきだと思います。
 時間が残り少なくなってまいりましたので、質問をちょっと飛ばしまして、未支給年金をおいやめいが受け取れないということについて質問をしたいと思います。
 未支給年金の受給対象者について、厚生年金保険法第三十七条では、死亡した者と生計を同じくしていた配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の範囲で、おい、めいは含まれていません。
 資料の八番、大きな紙が、新聞の写しがあります。新聞記事にもありますように、おい、めいが後見人または相続人であっても、未支給年金は支給されません。未支給年金が未支給となってしまう。新聞記事の事例は、四月の初めに亡くなった後、四月十五日に年金が振り込まれた。年金は本人が生存していた二月、三月の後払いの年金です。その年金までなぜ返還しなければならないのか。これは法制度に非常に不備があると思いますが、答弁を求めます。
○渡辺政府参考人 結論から申し上げますと、現在の法律条項が未支給年金の支給対象範囲というものを明記しておりまして、その範囲の中に、ここで報道された事例でありますのはたしかおいとかめいということであったと思いますが、それが法律上位置づけられていない。したがって、未支給年金はその方たちのお名前で支給するわけにはいかないということで返還を求めたものと思います。
 これにつきましては、御指摘のように、年金そのものはお亡くなりになられた御本人様の一身専属性のあるものであるという原点を確認した上で、他に、遺族年金も同じように遺族の範囲というのを法律上限定しております。これは少し違うんですけれども、限定しております。また、民法上の扶養義務の範囲というものをどう考えるか、おいやめいでも家庭裁判所が決定を下すと扶養義務が発生するというようなこともあります。そういったもののバランスを踏まえながら、慎重に議論する必要はある。
 法律制度を変えなければ、これはおいやめいというのは入っていないというのが現実でございますので、そうした議論をどういうふうに組み立てていけるのか、現時点ではなかなか難しい課題であると理解しております。
○内山委員 子供のいない夫婦とか結婚しない男女がふえている中において、おいやめいが後見人や相続人になるケースはふえていくことが考えられるわけでありまして、未支給の請求権の範囲を早急に拡大する必要があると考えます。
 一方、国家公務員共済組合法第四十五条では「支給すべき遺族がないときは、当該死亡した者の相続人に支給する。」と規定しておりまして、おいやめいも相続人になれるわけでありまして、共済年金受給者の場合には記事のような問題は生じない。制度に官民格差が明らかにある。こういうことをやはり大至急直さなければならないな、こんなふうなことを思っているわけであります。
 さらに、ちょっと急いでもう一問質問したいと思うんですけれども、社会保険事務所のミスで年金受給できなかった神戸の八十二歳の女性の事件というのをやはり資料でつけています。
 四百万円損害が発生した、こう見出しが書いてあります。新聞記事によれば、二十三年前、六十歳のとき、社会保険事務所の年金相談で厚生年金加入記録が六カ月しか確認できなかったため、特別支給の老齢厚生年金、これは一年以上ないと受給できないわけでありますけれども、できないため、国民年金を前倒しでもらう老齢基礎年金の繰り上げというのを四割減で受給をした方の案件です。
 二十三年前にそういう受給をした方が、昨年の一月に、一連の記録問題で年金加入歴が三十二カ月見つかった。記録の統合をしたんですけれども、六十歳で減額された老齢基礎年金の繰り上げをしていた金額は年金特例法の適用の対象ともなりませんので、受給できるであろう四百万円の損害が発生した。老齢基礎年金の繰り上げ請求を行うと特別支給の老齢厚生年金を受給できない規則になっているため、このような問題が生じたわけであります。
 このような問題が生じたのは、そもそも社会保険事務所の年金記録の管理の不手際に原因があったわけでありますから、六十歳の時点にさかのぼり、職権で老齢基礎年金の受給の繰り上げを取り消し、特別支給の老齢厚生年金を支給すべきと考えますけれども、いかがでしょうか。
○石井政府参考人 お答え申し上げます。
 今、内山先生のおっしゃったまさにこのケースでございますけれども、このケースについての取り扱いでございますけれども、今もお話の中にありましたが、老齢基礎年金の繰り上げ支給は、その性格上、一度請求が行われますと、事後的に請求を取り消すことは法令上は予定されておりませんものですから、私どもは法令に従って事務をとるという立場からいたしますと、請求の取り消しに係る規定もございませんので、本人の申し立てにより請求を取り消すことは基本的に難しいのではないかというふうに思っております。
○内山委員 大臣に、最後に。今の事案で、やはり何とかしていただけませんか。こういう法の穴があるんですよ。まして一連の記録問題の、こういう一連ですから。ぜひ最後に答弁を。
○舛添国務大臣 先ほど議論したほかの法体系、錯誤による意思表示という民法九十五条もありますので、どういう形で救えるか、これは社保庁のミスであれば、そういう方向で検討させたいと思います。
○内山委員 ありがとうございました。終わります。