2007年5月8日

第166回国会 衆議院 本会議     2007年05月08日

○議長(河野洋平君) 提出者内山晃君。
    〔内山晃君登壇〕
○内山晃君 私は、ただいま議題となりました民主党・無所属クラブ提出の年金信頼回復三法案であります歳入庁設置法案外二法案につきまして、提案者を代表して、提案理由及び趣旨を御説明申し上げます。
 二〇〇四年の年金法改正は、抜本改革とは全く言えず、国民の年金制度への不信を増大させただけで終わりました。さらに、民主党の追及により判明した、年金保険料を、年金給付とは関係のない二百五十六の年金福祉施設の建設等で、社会保険庁職員及びOBの天下りのために無駄遣いをされてきました。
 また、約五千万件もの年金保険料を納めた記録が、だれの記録かわからないために年金給付に結びつかない可能性があることなど、数多くの社会保険庁の怠慢と腐敗の実態が明らかとなり、国民の年金制度に対する不信と怒りはさらに大きく増加をしております。
 年金制度への国民の信頼を回復し、年金制度を将来にわたり持続可能なものとするために、民主党は、年金制度抜本改革法案を提出するなど、真の年金改革に取り組んできました。そして、このたび、年金信頼回復三法案、すなわち、現在の社会保険庁を解体し新たに歳入庁を設置する歳入庁設置法案、これまで大切な年金保険料を無駄遣いの限りを尽くしてきた現状に対し年金保険料流用禁止を明確化した年金保険料流用禁止法案、実に五千万件に達する年金納付記録の確認に関する、消えた年金記録被害者救済法案を国会に提出した次第であります。これら三法案は、年金制度に対する国民の信頼を回復するために必要不可欠であると確信をしております。
 以下、法案の概要を御説明申し上げます。
 まず、歳入庁設置法案について御説明申し上げます。
 この法案では、現在の社会保険庁を廃止し、国税庁を中心として構成する歳入庁を新設し、事務を移管することとしております。
 現行制度では、国民は、国税を税務署に納め、年金保険料を社会保険事務所に納めています。また、法人は、国税を税務署、年金保険料を社会保険事務所、労働保険料を都道府県労働局に納めています。社会保険庁が所管してきた厚生年金については、保険料徴収先が国税庁の法人税課税先と百六十万事業所がほぼ重なり、国民年金についても三百五十万人もの被保険者が納税者となっています。
 現在の国税庁の所得情報や徴収ノウハウを活用し、徴収コストを大幅に減らしながら保険料の徴収率を向上させることが可能となるとともに、公金納付や相談のワンストップ化により、国民の利便性も高めることができます。
 また、社会保険庁と国税庁との類似の事務を整理することで公務員を削減し、大幅な国民負担の軽減を実現することが可能となります。
 新設する歳入庁設置に際しては、政府は当面の業務運営に関する基本計画を定めることとしております。基本計画では、民間に委託する業務、委託先の選定方法などを定めることとし、民間委託によって、新設する歳入庁のスリム化や徴収コストの大幅な削減が可能になると考えております。
 また、基本計画では、社会保険庁または国税庁の職員が新たに歳入庁に移行する際の基準を設けることとしており、問題職員に対する適切な対処及び公務員定数の削減が可能となります。
 新設する歳入庁の事務処理状況や政府の定める基本計画について、国会に報告することを義務づけており、国会が適切な監視を行えるよう担保をしております。
 今回の民主党案では、公務員たる歳入庁長官に国会に対する説明を義務づけ、国会が全責任を負って年金を守ることを明示しています。しかし、政府案では、非公務員である民間人に対しては国会に対する責任を負わせることができるのか、問題があると考えております。
 次に、年金保険料流用禁止法案について御説明を申し上げます。
 社会保険庁は、年金保険料を公用車購入費や宿舎建設費などに無駄遣いをしてまいりました。政府提出の法案では、福祉施設の規定は削除していますが、ある意味でそれ以上に広範囲な流用が可能と考えられる教育及び広報等への保険料流用が可能となっています。
 加えて、年金事務費への保険料流用の恒久化も盛り込まれており、これは国民の理解を全く得られないものであります。民主党案は、年金保険料の流用を禁止し、大切な保険料の無駄遣いを許さないように措置をしております。
 最後に、消えた年金記録被害者救済法案について御説明を申し上げます。
 冒頭に申し上げましたとおり、約五千万件もの年金保険料を納めた記録が、だれの記録かわからないために年金給付に結びついていない可能性があります。また、被保険者等の提出した書類に基づいて年金記録の訂正を社会保険庁が行ったケースでは、年金保険料の納付記録が全く社会保険庁には存在せず、完全に消えてしまった事例も判明をいたしました。保険料を納付した国民には何にも落ち度がないにもかかわらず、政府は責任逃れをし、全容の調査を拒んでおります。
 本法案は、国民の適正な年金給付を行うために、政府に対し、五千万件の年金記録の全数調査を行い、年金納付記録の確認とともに、被害者の救済を課すものであります。
 以上が、本法律案の提案理由及びその概要であります。
 議員各位の御審議と御賛同をお願い申し上げます。(拍手)